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八戸法霊神楽

2013年05月15日
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300年ほど前から山伏達により法霊社(現在のおがみ神社)に奉納されてきたという神楽である。
権現と呼ばれる獅子頭を持って舞う権現舞が特徴で、一斉に歯を打ち鳴らす「一斉歯打ち」が勇壮的な神楽である。
毎年5月に行われる神楽祭をはじめ、八戸三社大祭等で披露されている。


法霊神楽は青森県八戸市にあるおがみ神社 に所属する神楽であり、「山伏神楽」に分類される。法霊神楽の名称は明治以前、おがみ神社は法霊社と呼ばれていたことに由来する。山伏神楽は、「権現(様)」と呼ばれる獅子頭を持って舞う権現舞が特徴で、法霊神楽以外にも旧南部藩を中心に山伏神楽が多く残っている。

明治維新後、神仏分離令・修験道廃止令などの宗教的な政策が実施された。修験であった法霊社も明治になって「おがみ神社」と名称を変えた。八戸近辺で当時神楽を舞っていた山伏らは神職になるか帰農した。その結果、神楽は農民が舞う神楽となり、八戸では庶民の文化として各方面へ伝わって行った。

八戸藩の総鎮守であった法霊社には、八戸藩内に散在していた山伏が法霊社を拠り所として集合し神楽を奉納していた。そのため神社に直属するまとまった神楽集団は存在していなかった。昭和に入ってからは八戸市の大仏や旧南郷村の中野に伝わる神楽が御祈祷等の務めを果たしていたという。1946年に神社に直属する神楽が無いことを惜しむ八戸の人々が八戸市の鮫二子石で伝承されていた神楽や大仏等の神楽を習い、神社直属の神楽として整備したものが法霊神楽である。そのため法霊神楽には鮫二子石の江刺家手と呼ばれる振る舞いと、大仏等の中山手と呼ばれる振る舞いが存在している。現在の法霊神楽は小さな集落に残っている民俗芸能というよりは、その八戸市全体の民俗芸能という色合いを持ち合わせている。


 

権現舞(2012年神楽祭)


鶏舞(2013年神楽祭)
 

翁舞(2013年神楽祭)


三番叟(2013年神楽祭)


山の神舞(中山手)(2013年神楽祭)


一斉歯打(2013年神楽祭)




翁舞モーションデータ(2009年計測)


三番叟CGアニメーション(2009年計測したデータをもとに製作)
 

山の神舞(江刺家手)(2013年神楽祭)


注連縄切CGアニメーション
(2004年計測したデータをもとに作製)




・法霊神楽の写真アルバムは  こちら
・法霊神楽のその他の映像は こちら
・アーカイブ情報は こちら

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